日本の毎日を支える、物流業界で働くエッセンシャルワーカーの思いを引き出したい。重要な仕事をしているのに、評価されない現状を変えたい、と潜在意識で思っている皆出幸次さん(仮名)
オフィスエンニチでは、思いを持ったお客様と心で繋がり、仕事をしたいと思っております。
このページには、思いを持って仕事に邁進する架空の人物が登場します。できるだけリアルに描いた人物像です。是非、皆出さんのストーリーをお楽しみくださいませ。
プロフィール
- 皆出幸次(みなでこうじ)
- 1975年生まれ
- 山口県出身、大阪府門真市在住
- 職業 社員3万人を超える大企業の国内外物流部門 部長
- 身長173cm 体重69kg
- 早稲田大学卒業
- 好きな食べ物 ばりそば、瓦そば、ビール
- 影響を受けたアーティスト TM network,The Blue hearts
- 尊敬する経営者 トニー・シェイ
- 家族妻・子供2人(14歳男・11歳女)
比較的裕福な家で育った。中学校のときに知った™ nteworkは衝撃的にカッコよく、家のCDコンポで聞いた。
親が揃えたオーディオセットは巨大で、スピーカーは部屋の一角に堂々と鎮座していた。
そのオーディオセットで聞くTMネットワークは初めて聞くエレクトリックサウンド。
大きなスピーカーで聞くシンセ音はそれまでの生音中心の楽曲とは異なる色気を感じ、引き込まれた。

しかし、多感な少年時代、カメラにも興味を持ち、高校は写真部に入った。カメラは当時も現在も変わらず高価だ。新品で20万円を超える価格は高校生にはとても買えない。
なんとか中古で購入したニコンのカメラは高校生には十分すぎるくらいのスペックで、たちまち夢中で写真を撮るようになった。

大学は東京に進学。大学でも写真部に入り、学業よりも力を入れて取り組んだ。関東一円は大体の場所に撮影に行った。
就職し営業職に
就職したのは巨大大企業だった。営業職を10年。
基本は既存顧客のフォローだが、新たな販路開拓も行い、着実に売上を伸ばしていった。キャリアは順風満帆だ。
この道でずっといくものだと思っていた矢先、なんと物流部門への異動を命じられた。

面食らう皆出
なぜ自分が物流に。正直面食らった。人事の意味がわからなかった。
なぜなぜなぜ・・・
会社をやめようかとも思ったが、配属されてみて、しばらくすると、物流の仕事が簡単で単純なものではないことがわかってきた。
モノを運ぶだけだろう?
そう思っていたが、実際にやってみると、出鼻をくじかれた。国内、国外の両方を担う物流部門は予想を遥かに上回る複雑な仕事だった。
まず、物流業界はまだまだ人力で行っている部分が大きい。他の業界に比べて進歩していない部分もあるのだ。
例えば、パソコン一つ海外から輸入するだけでも大変だ。
書類は英語が多い。通貨はドルやポンド、計算方法など、国内ではあまり考えずに済むことをたくさん考える必要がある。
英語はgoogle 翻訳などを使い、分からないなりにコミュニケーションをとるが、システム化されていない部分も多い。
船舶で運ばれてくるパソコンは、税関に提出する書類、輸送会社とのやり取りの書類など、とても煩雑だ。多少の英語も必要とされる。
こういう仕事を入社4年~10年くらいの社員が担っている。長時間労働になることもあり、結構な頭脳労働なのである。皆出はすぐに気づいた。この仕事、まだまだ改良の余地があるし、やりがいがありそうだ。
物流業界のイメージ
しかし無視できないのが、世間的イメージだ。
物流の仕事は実際の社会的役割と、世間的なイメージに大きなギャップがある。物流が機能しなければ国民の生活は大きく損なわれる。モノは届かなくなり、食生活にすら影響するだろう。
にもかかわらず、どうも1段低く見られている傾向がある。なぜか。確かに、学歴の高くない人が多く働いている事実はあるかもしれない。トラックのドライバーさんなどは、やんちゃな人が多いのも事実だ。
しかし、我々がモノを運ぶから、生活が成り立っているのは間違いない。この国の、世界の毎日に物流は欠かせないインフラなのだ。
実際働いてみて、また働いている人と接してみて、皆出が物流という仕事に漠然と抱いていた印象は大きく変わった。
自社にはドライバーさんはいないが、協力会社の中には運送を専門とする会社もある。彼らの会社は自社でトラックを所有しており、トラックのドライバーさんたちと接することが頻繁にある。
その彼らと話してるうちに彼らの価値観、思い、感じている事がだんだんと分かってきた。
皆出の中に生まれた思い
働いているのは、営業マン時代に周りに居た人達となにも変わらない、日々の仕事に一喜一憂する、思いを持って生きている人達だ。
一気に彼らの事を好きになり、そしていつしか、物流業界の世間的な地位を向上させたい。そんな思いを抱くようになった。
やることは変わらない。今まで通り、コストをなるべく抑えつつ、物流が滞らないように日々のオペレーションを回していくことだ。
しかし、皆出の中には
この業界で働く彼らが誇りを持って働けるような世界を作りたい
という気持ちが大きくなっていった。
この国の毎日を支えているエッセンシャルワーカーが、合コンで自分の職業を名乗れない。そんな世界は理不尽だ。
同じ思いを抱く人に、どこにいけば出会えるのか。この国の物流業界の地位を向上させたいと思う人に出会いたい。
皆出が始めたこと
皆出は堅実だ。まずは、自社から始めてみよう。まずは自社の社員の声を聞く事にした。彼らの声を聞くのが必要だ。感じている事を、彼らの言葉を聞いてみたい。
その中に同じ思いをもつ仲間ができるかもしれない。
皆出は生来、新しい取り組みが好きだ。常に潜在意識では、自己表現をしたいと思っている。社員とコミュニケーションを取ることも、「仕事で必要だから」という名目以上に新たな取り組みをしたい、という潜在欲求から来ているのだ。
そう思って、様々な場で社員とコミュニケーションを増やし始めた。取り組みはとても地道だ。一人ひとりとコミュニケーションを取ることが基本だ。
そうすると、意外にも社員同士のコミュニケーションが、十分に取れていないという問題に気づいた。
思いは大きいが、足元を見ればまだまだ課題が山積していることに気づいた皆出だった。少しづつ、いろんな施策を導入した。飲み会やBBQイベントなど、遊びの企画は積極的に推進した。
だんだんと、物流部門内のコミュニケーションが増えていき、いよいよ自社の取り組みを積極的に発信する段階にきた、と思った矢先だった。
コロナの到来
そこにコロナがやってきたのだ。日本経済は壊滅的な被害を受けた。物流も例外ではない。部門によっては繁閑の差が激しくなり、人事異動を余儀なくされた。
テレワークなるものも導入した。物流業界は電話でやり取りすることが多い。仕事の話はするが、実は人柄をあまり知らない相手と電話やメールで仕事をしている。
粘り強く仕掛けてきた、コミュニケーションは一気に減り、以前は定期的に行っていた忘年会や異動してきた社員の歓迎会もなくなり、人同士の繋がりは途切れそうになった。
社内でオンラインでワン・オン・ワンミーティングをやってみても、どうにも、本音が見えないことがある。特に若手はそうだ。
協力会社のトラックドライバーさん達は相変わらず激務で、あえいでいる。
これが新しいスタンダードなのか。自社内でさえ、思いを語る場がない。そう思っていた矢先に、「社内ラジオ」を見つけた。
これだ・・・・
これこそが、業界に必要なコミュニケーションの新しい手段だ。物流業界で働くひとの思いを吸い上げ、紹介するメディアが必要だ。
このツールを使って、社内外関わらず、いろんな人のインタビューをしてみると、たとえ、テレワークでコミュニーケーションが分断されていても、働く人の息遣いが聞こえてくるではないか・・・
皆出はラジオという手段に光を見出した。