インターナルコミュニケーションを阻害する要因!日本人は昔から意地悪だった?
日本人は元来、同調圧力が非常に強い社会の中で生きてきて、いわゆる村気質が備わっていると言います。
日本の稲作文化が育てた同調圧力
アメリカバージニア大学のトーマスアルヘルム博士の研究
米を栽培する地域の人々は小麦を栽培する地域の人々に比べて、集団的で全体主義的な傾向が強くなるという研究結果を2014年科学誌サイエンスに発表。
つまり米文化の社会は常に個人より集団が優先されるということです。
これは、稲作は労働量が非常に多く、近隣の人々と協力する必要があったために、相互依存性が強くなったという傾向があると結論づけられています。協力関係を気づかなければ生きられない社会が会ったということですね。
なんとなく分かるような気がしますね。さらに・・
日本人の意地悪行動
大阪大学社会経済研究所の西条教授が行った実験
日本人は・・・
自分の取り分を減らしてまでも、相手の取り分も減らそうとする傾向が強い
アメリカ人や中国人は・・・
自分の取り分が増えることを、相手の取り分が減ることよりも優先する傾向が強い
西条教授はこの行動を意地悪行動と名付けています。
この話は非常に面白くて会社の中で一人だけ有給休暇をたくさんとる人がちょっと白い目で見られたりとか、それを察知して自分もちょっと有給は遠慮しようかな、とか感じられてる会社員の方は多いのではないでしょうか。同調圧力を感じるということですね。
「一人だけいい目を見るのは許さん!」と言わんばかりですね。この同調圧力は間違いなく、インターナルコミュニケーションを行う上で壁になることがあります。
意地悪社会での組織運営の難しさ
ボトムアップのインターナルコミュニケーションの難しさがここにあります。
日本の官僚的な村社会型の会社は、緩やかで暖かくて家族的で同室、均一を好む傾向があります。
このような会社でボトムアップでインターナルコミュニケーションを行おうとすると、分厚い文化に阻まれて、心が萎えてしまうことがあります。
インターナルコミュニケーションでは、意地悪を封じる
インターナルコミュニケーションという観点から組織を見た時に、日本人の意地悪な特性を理解しておくと、動きやすくなることがあります。
そもそも元来の性質が意地悪なので、それらの性質が出てこないようにうまくデザインする必要があるということです。
これは裏を返せば、右に倣えの性格が強いということ。村社会だからこそ、意地悪気質が発動されるということ。
じゃあ!村自体を変えてしまうのはどうでしょう?
例えば、インターナルコミュニケーションで目指すところが組織文化の醸成の場合。まずは、○○という行動や、○○と言う価値観に賛同する人を増やす。
それが多数を占めてくると、多数派が生まれる以前は意地悪行動に阻まれて浸透していなかった行動や価値観も、市民権を得てきます。つまり、村の大多数を占める価値観が次第に変わってくるということ。
飲み会の席で5人集まって3人が賛同する行動や価値観はもうすでに社内に浸透していると言えるでしょう。これは地道な努力しかないです。
1人1人コミュニケーションを取って仲間を増やし、クラスターを増やしていくということです。そうすると、だんだんと意地悪行動は影を潜め、前向きな村社会(組織文化)が出来上がっていくはずです。
意地悪は組織が村社会だから起こること。じゃあ、村全体を占める価値観を変えてしまう、という行動でしょう。これは時間がかかりますができなくはないです。仲間作り、少しづつやっていきましょう。よほど腐った組織でなければ、きっとできるはずです!
参考書籍
「会社がしんどい」をなくす本