社内ラジオの DJ は話し上手である必要はありませんが、 いくつかのスキルのポイントがあります。今回の記事では質問のテクニックを掘り下げていきたいと思います。この記事を読めば質問のテクニックの大まかな全体像がつかめます。
様々な企業様にインタビューをしまくっている社内ラジオのDJ(及びプロデュース)を事業にしているオフィスエンニチの高間がお伝え致します。では、一緒に勉強していきましょう。
質問の種類
質問には大きく分けて、オープン質問とクローズド質問があります。
オープン型の質問とは相手に考えて答えてもらう質問です。クローズド型の質問は「はい、いいえ」など、明確に回答できる質問です。
社内ラジオでは相手にどんどん話してもらうことで番組を成り立たせるため、オープン型質問を主に用います。
クローズド型質問ではそこで話が終わってしまうため、社内ラジオDJがめちゃくちゃ頑張って話さないといけなくなってしまいます。これはリスナーとしても、聞いていてしんどいです。
さてオープン型質問の種類について説明していきます。
オープン質問 具体化の3つの法則
「5W1Hを使いましょう」とロジカルシンキングなどではよく教えられますが、これを社内ラジオの DJ として用いるときには3つの法則があります。
- 5W1H
- わかったことを返す
- エピソードを聞く
これらを使うことで、相手の話をイキイキとさせるのです。
5W1H
話し手は多くの場合、抽象的な話をしがちです。相手のチャンク(かたまり)の大きな話を小さく具体化していくのが社内ラジオDJの聞き取り能力となります。
What(なにを)
Why(なぜ)
When(いつ)
Who(だれが)
Where(どこで)
How(どのように)
What (なにを)
5W1Hで最もよく使うのはWhatの質問かもしれません。
- 「〇〇さんはどんなお仕事をされているんですか?」
Why(なぜ)
「なぜ」、とストレートにきくこともありますが、ストレートでなくても、「どのような経緯で」などと、遠回しに動機を聞くと柔らかいWHYの聞き方になります。
- 「なぜ、この仕事を選んだのですか?」
- 「〇〇さんはどのような経緯でこのお仕事をされるようになったのですか?」
When(いつ)
- 「いつからこのお仕事をされているのですか?」
Who(だれが)
以下は会話の例です。
「この会社で良かったことはなんですか?」
「人にすごく恵まれているんです、皆さんすごく優しくて」
「具体的に、誰が最も優しいんですか?」
Where(どこで)
- 「どんな場所で働いているんですか?」
How(どのように)
- 「〇〇の作業はどのようにされているんですか?」
以下の事例は実際の社内ラジオ番組で配信をした内容になります。私が社内ラジオDJとして、EC部門のリーダーに仕事の内容を聞き取っていく、ということをしています。
この事例ではwhatの質問をした後はうなずき、あいづちなどで相手が話してくれるのを 促しています。参考資料として、流れを文字化しました。
3:25分~
(◯◯さんの部門のお仕事はどんな感じなんでしょうか?教えて下さい)
ECを担当しておりまして
(EC)
はい、インターネットを通じてエンドユーザー様に商品を販売するという
(あわわわ)
お仕事をしております。Eコマースのやく(こと)です
(なんて難しい!仕事の内容が全然イメージできないんですよ、私。どんなことをされているんでしょうか?)
電子商取引と言うらしいです(うわ、更に難しい!)
笑(電子商取引ってなんだろうか?)
ネットでものを売るというところですね
(ネットでものを売る仕組みを作っていらっしゃる?)
しくみをつくるというと大層になっちゃうんですけど、楽天とかヤフーとか、ポンパレモール、あと自社サイトといわれる僕たちのホームページにカートを埋め込んだような(はい)
4店舗で展開させてもらっているんですけども
(ふんふんふん)
仕組みというか(はい)
仕組み自体はそれぞれのモールさんが用意されていて、僕たちはその商品を(ふんふん)
写真撮って説明書いて、で値段を設定して販売する
(なるほど)
で注文頂いたやつをピッキングして
(はい)
梱包出荷みたいなそういう流れが(ふんふんふん)
基本的な EC の流れです (うんー)
5:00~
(あれですか、写真を、一つの製品をアップする時に、チェック項目がたくさんあったり、作業が沢山発生する?)
大まかな商品ページの構成っていうのはある程度決まっておりまして、
(はい)
でトップページがあって、
(ふんふん)
履き撮りの写真があって
(はい)
機能性の説明があって
(はい)
そういうダンダンダンって流れがある程度決まってるので(うん)
事細かく チェックすることは(はい)
今はもうしなくても大丈夫な状態にはなっているんですけれども。(はい)
でもどうやったらお客さんが見やすくなるかとか
(はい)
商品のことを理解してもらえるのかとか、そういうことに配慮しながらページを作っていく (ふんふん)
色味とかは僕らはとりっぱなしの写真を(はい)
そのまま載せるんじゃなくて、しっかりと画像の補正をしてから(おー)
ページに載っけるんですけれども(ふんふん)
それもお客さんの手元に届いた時にページに載ってる色味と手元に届いた実際の商品の色味が(はい)
乖離がないようにしておかないと、「思っていたのと違うわ」 みたいな(そうかー)
残念体験みたいなことになっちゃうので、 その辺はしっかりとやっていますね
上記のような会話の中でどんどん掘り下げていっています。結果として5W1hの質問を 多様していません。
5W1Hを多様すると、尋問のように感じことがあります。うなずきやあいずちで話し手(このケースではリーダー)の話を促しています。ペースは完全に話し手側にあります。
「矢継ぎ早に根掘り葉掘り聞かれているな」という不快感は感じません。
わかったことを返す
上記のケースで、5分くらいから、相手の語ってくれた内容を私が引き取って、「こういうことですか」と返しています。わかったフリをせずに相手の話を更に誰にでもわかるように噛み砕くことを促すテクニックです。
わかったことを返すテクニックは、「自分が理解したことを自分の言葉で返す」でOKです。
社内ラジオDJは相手のこと、相手の仕事をわかっていないほうがむしろよいのかもしれません。
エピソードを聞く
最後は、相手の語ってくれたことを具体化していくために最も簡単なテクニックです。
「何かエピソードがあれば教えて下さい」
「具体的なエピソードはありますか」
などと聞きます。多くの話し手は抽象的な話をしがちです。ストレートに聞いてみましょう。
オープン質問 感情を聞く質問
エピソードが最もイキイキするのは、感情が発露する部分です。
感情を聞く質問では、感情の発露を促します。
「その時どんな気持ちになるんですか?」
「早く会社に行きたい、となる日の朝はどんな気持ちなんですか」
などと、聞きます。
社内ラジオDJのテクニックとして、1収録あたり、1回は聞いてみたい質問です。以下も実際に配信した者にラジオのインタビュー実例です。
(趣味が釣り、という人に対して)
「魚が釣れたときはどんな気持ちになるんですか?」
「脳汁がでまくりですね、軽く手が震えてたり・・」
釣り人の脳内でこんなに激しい事象が起こっていたとは、驚きでした。
さて、見てきました、質問のテクニックですが、いかがでしたでしょうか?概要はつかめたと思います。
後は練習です。何度も練習をします。私はコーチングの資格を取得する課程でこのスキルを習得しました。どうしても自社で社内ラジオDJの養成が難しい場合はぜひオフィスエンニチにご相談を!参考になれば幸いです。