離職防止には人間関係が鍵、ツールやアイデア、成功事例を紹介

離職率の高さに悩む企業にとって、優秀な人材の流出は大きな課題です。企業の持続的成長を支えるために、離職防止は避けて通れない重要なテーマです。

しかし、離職防止には特効薬のような解決策は存在せず、リーダーや上司との人間関係がその鍵を握っていると当社は考えています。究極は人間関係です。

当社は社内ラジオで社内のコミュニケーションを活性化させることを中心に事業を行う日本初の超ユニークな会社です。わかりやすい事例はこちらをどうぞ。

本記事では、離職防止に向けたツール、アイデア、成功事例を詳しく紹介します。

離職防止のアイデア

組織への愛着を強化し、離職防止する施策の具体的なアイデアです。以下にいくつかのアイデアを紹介します。

ハード面での離職防止施策のアイデア

待遇の改善

待遇の改善が一番効くかもしれません。新卒採用を行っている企業様は理解されると思いますが、大卒の初任給を上げると、既存の層も当然上げることになります。企業の競争力の厳選は「人」です。

待遇を挙げていく努力をしなければ人が離れていくのはもはや動かせないメガトレンドですので、不断の努力をすべきでしょう。

柔軟な働き方の導入

在宅勤務を柔軟に取り入れるやフレックスタイム制度の導入は、待遇の改善に入らなくもないですが、あえて分けました。

従業員が自分のペースで働ける環境を整えることで、ストレスを軽減し、生産性の向上を図ります。

事例 15分単位の短時間勤務を導入 – アイシン

アイシンは2019年度から「働きがい改革」として柔軟な働き方を推進し、15分単位で利用可能な短時間勤務制度を導入。

・育児目的の場合、11歳までの子どもを持つ従業員も対象に。

・キャリア申告制度や副業制度も整備し、技能系職場での時短勤務にも対応。

・男性育休100％を目指し、2020年度には全員が育休を利用。

・女性比率向上の目標も達成し、総労働時間は2年連続で2,000時間を下回った。

事例 国内のどこからでもリモートワークを可能に-伊藤忠テクノソリューションズ

2022年度からテレワークの選択肢拡大や社外副業を導入。テレワークは通勤範囲内で自由に選択可能で、2023年度からは通勤範囲外でも連続10日間の国内利用が可能に。単身赴任解消のための「転勤なし異動」や、理由不問で1年以内の長期休業が可能な「サバティカル休暇」も導入。これにより学生からの人気が高まり、新卒応募者数が2020年以降年平均で約4割増加した。

メンター制度の導入

経験豊富な社員と若手社員を結びつけるメンター制度は、知識の共有と信頼関係の構築に効果的です。新入社員が職場にスムーズに適応しやすくなり、離職を防ぐ大きな助けになります。

ソフト面での離職防止施策のアイデア

社員の自発的なキャリア開発サポート体制の構築

社員が自身のキャリアをどう描くかをサポートすることは実はとても重要です。一見、離職防止と関係がなさそうに見えますが、個々の成長を促進することで、社員と企業との長期的な関係構築は離職防止に直結します。具体的には以下のような施策があります

離職防止の成功事例

実際の成功事例は、他の企業がどのように離職防止に取り組んでいるかを知る貴重な手がかりです。以下に、いくつかの成功事例を紹介します。

Googleの取り組み
Googleはデータに基づく従業員満足度の分析を行い、離職の予兆を早期に発見しています。オープンなコミュニケーションとキャリア成長の機会を提供することで、離職率を低く抑えることに成功しています。

Netflixの文化構築
Netflixは、自由と責任を重視した企業文化を持ち、従業員に多くの裁量を与えています。この文化により、社員は自分の仕事に誇りを持ち、会社への忠誠心を高めています。

スターバックスの従業員支援プログラム
スターバックスは、従業員に対する健康保険や学費補助などの福利厚生を充実させることで、社員の満足度を高めています。これらの施策は、離職防止に寄与しています。

リーダーと上司の役割
離職防止には、リーダーや上司の積極的な関与が不可欠です。彼らは、組織のビジョンを明確にし、従業員が共感できる目標を設定する役割を担っています。定期的な対話やフィードバックを通じて、従業員の意見を尊重し、信頼関係を築くことが大切です。また、問題を未然に防ぐためには、早期の問題発見と迅速な対応が求められます。

離職防止のためのツール

離職防止に役立つツールの検討は一つの解答になります。いくつか、ツールを紹介します。

従業員エンゲージメント調査ツール

従業員エンゲージメント調査ツールは、職場環境の改善や従業員の満足度向上に向けて、従業員の意識やモチベーションを定期的に測定するための重要な手段です。これにより、組織は潜在的な問題を早期に発見し、適切な対応策を講じることが可能になります。

Wevoxは、従業員のエンゲージメントを簡単に測定できるツールです。直感的なインターフェースを備え、定期的なアンケートを通じて職場の健康状態を数値化します。Wevoxでは、回答がリアルタイムで集計されるため、組織の現状を即座に把握でき、必要に応じて迅速な対応策を検討することが可能です。また、データをもとに組織の強みや改善点を明確にし、職場の環境改善を効果的にサポートします。

Link and Motivationは、従業員のモチベーションを向上させるために開発されたエンゲージメント調査ツールです。独自のモチベーション理論を活用し、従業員の価値観や組織風土を数値化して分析します。これにより、企業はモチベーション向上のための具体的なアクションプランを策定することができ、組織全体のパフォーマンスを向上させるための一助となります。また、従業員一人ひとりにカスタマイズされたフィードバックを提供することで、個々の成長を支援します。

フィードバックプラットフォーム

フィードバックプラットフォームは、職場のコミュニケーションを活性化し、透明性のある職場環境を築くために欠かせないツールです。フィードバックを通じて、従業員同士や上司との迅速なコミュニケーションを促進します。

SlackやTeamsは、ビジネスコミュニケーションを活性化するためのプラットフォームとして広く使用されています。これらのツールには、簡単にフィードバックを共有するための機能が搭載されています。たとえば、プロジェクトに対するコメントやリアクションを即座に伝えることができ、チーム内での迅速なコミュニケーションが可能です。また、フィードバックボットやカスタムアプリを活用することで、フィードバックプロセスを自動化し、効率化することができます。

Kakeaiは、日本発のフィードバックプラットフォームで、上司と部下のコミュニケーションを効果的にサポートします。Kakeaiの特徴は、対話を通じて信頼関係を築くことに重点を置いている点です。部下が自己評価を行い、その結果をもとに上司がフィードバックを提供する仕組みが整っており、双方が率直に意見を交換することで、組織の問題を早期に解決することができます。また、コミュニケーションの質を向上させるための提案をAIが自動的に行う機能も備えており、継続的な改善を支援します。

タレントマネジメントツール

タレントマネジメントツールは、従業員のスキルや能力を最大限に引き出すための戦略的な人材管理を支援します。

Toitoiは、日本発のタレントマネジメントツールで、個々の従業員のスキル、経験、特性を把握し、最適な人材育成をサポートします。Toitoiの特徴は、従業員の強みと弱みをデータで可視化することにより、個々のキャリアパスを明確にし、組織全体のパフォーマンスを向上させることです。評価やフィードバックを一元管理することで、従業員の成長を継続的にサポートし、適切な目標設定と人材配置を可能にします。

成功事例の紹介<筒井工業>

注目すべき成功事例として、筒井工業の取り組みがあります。筒井工業はかつて離職率が95%に達する危機的な状況に直面していましたが、リーダーシップのもとでメンター制度を導入することで、その状況を克服しました。

新しい従業員には経験豊富な先輩が付き、職場でのサポートを受けられる環境を整えたのです。これにより、社員は自分が大切にされていると感じ、安心して職務に専念できるようになりました。このように、リーダーシップと効果的な制度の導入が、組織の文化を変革し、離職防止に成功する鍵となったのです。

筒井工業のメンター制度について

筒井工業のメンター制度では、他の部署の年齢が近い先輩社員がメンターとなり、月に1回程度のメンタリングを行います。直属の上司や先輩ではないため、職場での不安や悩みを気軽に相談しやすく、自分の興味や関心についても気軽に話せる環境が整っています。社外でのメンタリングを希望する場合には、会社から1人当たり1,000円まで食事代が支給されます。メンター制度を経験した先輩社員たちからは好評を博しており、よく社外で食事をしながらメンタリングを行っています（筒井工業HPより）。

結論
離職防止には多面的なアプローチが必要です。ツールの導入や新しいアイデアの実践、成功事例からの学びを通じて、企業はより良い職場環境を構築できます。そして、リーダーや上司が積極的に関わり、従業員の声を聞くことが、離職を防ぐ最も重要な要素です。離職防止にマジックはありませんが、リーダーや上司との人間関係の改善により、企業は成長を続けることができるのです。

株式会社オフィスエンニチ

社内ラジオのリーディング・カンパニー