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インナーブランディング施策としてのインターナルコミュニケーション オムロンの事例

shunsuketakama

インナーブランディングには社内向けのコミュニケーションは重要項目の一つ。

こちらの記事でも書きましたが、7 S のフレームワークの S を連結させるのがコミュニケーションであると言っても過言でないでしょう。

特にシェアードバリュー(共有する価値観)、 企業文化の生成には、粘り強くコミュニケーションをとっていくことが必要です。

当記事では、書籍「人を活かし組織を変えるインターナルコミュニケーション経営」を参考にし、インナーブランディングの一環としてのインターナルコミュニケーションの事例に迫ってみたいと思います。

インターナルコミュニケーションの定義

書籍の中では「経営戦略の効果的な実行に向けて組織で働く人々の知識態度行動を継続的に強化するために制作された組織的なコミュニケーション活動」

と定義しています。(19P)

組織的なのコミュニケーションというところがポイントですね。

1対1のコミュニケーションではなく1対Nのコミュニケーションということです。インターナルコミュニケーションに力を入れてる企業様での活動は プロジェクトを組んで行なったり、あるいは全社を挙げて全体を巻き込んで行う大掛かりなものもあります。

特にオムロンの取り組みは全世界に散らばっている全社員が参加する(のべ5万人にも上る社員が参加したといいます)ということ、いかにインターナルコミュニケーションに力を入れてるのかということがうかがい知れる事例です。

インターナルコミュニケーションの主なコンテンツ

さてインターナルコミュニケーションのコミュニケーションコンテンツとしては以下の3つが挙げられます。

  • 知識
  • 態度
  • 行動

知識

知識とは、組織内の蓄積した知識をアーカイブし、共有する事ですね。

トップと社員の失敗経験の共有

 社員グループによる経営理念の実践活動事例

様々な場の共有を通じた多層的なコミュニケーション活動

企業文化を体現するための制度設計事例 

態度

人や物事に対する考え方感じ方

行動

他の人に対する行動や立ち居振る舞いとされる 

インターナルコミュニケーションはこれらの3つに収斂されます。以下のオムロンのケースはこれらの3つを満たすものと考えられます。

理念ビジョンの浸透 のためのインターナルコミュニケーション

オムロンは昭和8年1933年立石一真により、東大阪で創業された。創業から26年経った時に社憲が制定され現在でも日本と中国の職場では毎日社訓の唱和が行われているそう。

インナーブランディングに対する腰の入れようがわかります。

「我々の働きで我々の生活を向上しよりよい社会をつくりましょう」

これが社憲です。現在、HPを訪問すると理念の中核として最も大事に扱われています。

ピータードラッカーは「あれほど技術について造詣が深くその方向性とイノベーションについて明確なビジョンを持った人を他に知らない。」と評したそう。

インナーブランディングとして全社を巻き込むイベント

さて、同社では企業理念の実践を促進する社員参加型イベントとしてTOGAと呼ばれる表彰イベントを実施しています。

このイベントでは企業理念を実践し優れたところにいる評価すると同時に全社員で共有。2017年にはエントリー数6216参加延べ人数51093人。世界中にいるおもろグループのほぼ全社員が参加したと言います。

具体的な事例としては以下のようなものが。

①フィリピン国民の健康増進への貢献プロジェクト

②偽造医薬品不良撲滅への貢献プロジェクト

①フィリピン国民の健康増進への貢献プロジェクト

  • オムロンヘルスケア フィリピン営業所のジャニス・イアンの取り組み
  • フィリピン人の成人中28%が高血圧
  • 血圧計を持っているのはたったの3%
  • 国民の74%が下層階級、そのうち21%が貧困家庭
  • フィリピン政府と提携
  • 2014年バランガイ健康プログラムを開始
  • 44,000カ所の保健施設に126,000台のデジタル式の血圧計を設置
  • 1年後には血圧計の普及率は35%まで達した

すごい成果です。「我々の働きで我々の生活を向上しよりよい社会をつくりましょう」という 企業理念に合致した成果を上げていると言えます。

https://www.edge-link.omron.co.jp/news/136.html

②偽造医薬品不良撲滅への貢献プロジェクト

  • 世界で流通している医薬品のうち偽造品は最大24%
  • 毎年約100万人が偽造医薬品を服用したことが原因で命を落としている
  • オムロンドイツが製薬会社の製造データを欧州政府各国データベースへアップロードして管理するシステムを考案
  • 複数の企業を巻き込んで、シリアル番号追跡システムを完成させた

こちらはオムロンのドイツチームの取り組みだそう。

https://www.edge-link.omron.co.jp/news/134.html

全社員を巻き込んで取り組んでるだけあり、圧倒的な力の入れようですし、取り組みが理念に合致しています。

さて、ここまでインナーブランディングの例として、オムロンでの取り組みをみてきました。圧倒的なコミュニケーションへの力の入れようです。

次回はYKKでの取り組みを見てみます。お楽しみに!

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